『矛盾社会序説 その「自由」が世界を縛る』
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建前ばかりの社会が目を背け続ける「透明化された存在」の話を始めよう。
ネット上で賛否を巻き起こした『白饅頭note』、遂に書籍化。
佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)
古びた矛盾を終わらせ、
本当の「公正さ」を取り戻すために。
これはその議論の土台となるべき素晴らしい本だ。
飯田泰之(明治大学政治経済学部准教授)
「かわいそう」は正義か?
SNSが可視化した私たちの関心と無関心を語る
等身大の論考集。
かかわりあう誰かを自由に選べることは、選ばれることのない誰かが存在することと裏表であり、
耳ざわりの良い建前の背後で、疎外された人びとの鬱屈がこの社会を覆っている。
「社会が自由を謳歌するためには不自由をこうむる人柱が必要不可欠である」という、
現代社会の「矛盾」に切り込み、語られることのなかった問題を照らし出す。
「かわいそうランキング」下位であるということは、
ほとんどの人からかわいそうと思ってもらえないどころか、
その存在を認知すらされず「透明化される」ことを含意する。
場合によっては、「自己責任だ」「自業自得だ」と
石を投げられることすらあるかもしれない。
そうした人びとの、誰の目にも触れることのなかった小さな祈りを、
本書の19編にまとめたつもりである。(本文より)
【目次】
01 「かわいそうランキング」が世界を支配する
02 男たちを死に追いやるもの
03 「男性 “避" 婚化社会」の衝撃
04 外見の差別・内面の差別
05 「非モテの叛乱」の時代?
06 「ガチ恋おじさん」――愛の偏在の証人
07 「無縁社会」を望んだのは私たちである
08 「お気持ち自警団」の誕生と現代のファシズム
09 デマ・フェイクニュースが「必要とされる社会」
10 「公正な世界」の光と影
11 橋下徹はなぜドナルド・トランプになれなかったのか
12 なぜ若者は地元から去ってしまうのか
13 「働き方」の呪縛
14 ベーシックインカムが解決できない問題
15 疎外、そして近代の甦生
16 「ひきこもり問題」のパースペクティブ
17 この社会には透明人間がいる
18 「社会的な死」がもたらすもの
19 相模原事件の犯人を支持した人びと